妊婦健診は何をするの?
予定日が決まり、母子手帳を受け取る頃になると産院での「妊婦健診」が始まります。
日本では母子保健法により、すべての妊婦が妊婦健診を受けることが推奨されています。
しかし、妊婦健診で何を確認しているのかよくわからないという方は多いのではないでしょうか。
また妊婦さん自身は色々勉強していても、パートナーは「順調」とだけ聞いて安心している、というパターンはありませんか?
ここでは一般的な妊婦健診の内容についてお伝えします。
妊婦さんだけではなく、ぜひパートナーの方にも知って欲しい内容です。
妊娠期間の定義について
妊娠期間は、受精した日ではなく最終月経開始日を「0日」として数えます。7日を1週として数えるので、0〜6日を0週、7〜13日を1週と数えていくことになります。ただし、日本では妊娠月数は数えが使用されているため、0週目から妊娠1ヶ月…と数えていくことになります(表1参照)。
分娩の予定日は「満280日=満40週0日」です。
日本産婦人科学会では、妊娠満42週以降を「過期妊娠(妊娠42週を過ぎても陣痛がおこらず分娩に至らないこと)」と定義しており、母子のさまざまなリスクの観点から「過期産(妊娠42週以降の出産)」となる前に、分娩誘発が行われることも多くあります。
(引用:新型出生前診断 NIPT Japan)
妊婦健診の間隔
妊婦健診の間隔はその週数ごとに決まっています。
妊娠初期の心拍確認や予定日の確定の段階では、1〜2週間で再度受診が必要な場合も多くあります。また、不妊治療先のクリニックから転院する場合などでは、受診の回数が増える場合もあるかもしれません。
妊娠経過の中で心配な症状や母子にリスクのある場合は、妊婦健診とは別で追加の受診が必要になる場合があります。かかりつけの産院の指示に従うようにしてくださいね。
妊婦健診の基本項目と目的
母体について
【健診時に毎回確認する項目】
【決まった時期に行う検査】
【必要に応じて行う検査】
胎児について
胎児心拍の確認
胎児超音波ドップラーによる短時間の聴取、またはノン・ストレス・テスト(NST)による連続聴取など、妊娠週数や赤ちゃんの状態により聴取方法・時間は異なります。
心拍数やモニタリングによる波形を確認することで、赤ちゃんの状態を評価します。
超音波検査
妊娠週数により、経膣または経腹超音波を使い分けます。
<経膣超音波検査とは?>
膣に近い部分の詳細な画像が得られるため、主に妊娠初期に用いられます。
子宮や卵巣の様子を観察したり、心拍の確認や妊娠週数の確定などを行います。妊娠中期以降も、子宮頸管の長さ(切迫流早産の傾向の有無)や胎盤の位置を確認するのに用います。
<経腹超音波検査とは?>
腹部全体の観察ができるため、主に妊娠中期以降に用いられます。
赤ちゃんの各部位の計測や形態の異常の有無、羊水量の評価、臍帯や胎盤の観察、性別の確認などを行います。
このように、超音波検査で確認する項目は多岐にわたります。
超音波検査の医学的な目的は、妊娠中のリスクや赤ちゃんの異常の早期発見です。
しかし、超音波検査は多くの妊婦さんにとって、自分の目で赤ちゃんの存在を確認する貴重な機会です。最近では4Dエコーを導入している産院も多くあり、赤ちゃんの表情などがより鮮明に確認できるようになりました。超音波検査は妊婦さんやパートナーにとって、母性や父性を育む機会としても大切と言えますね。